神秘の山“香具山”とその周辺スポットを巡る
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古代人には「香しい山」「神秘な山」と崇められ、万葉集の三山歌の中では最も多く歌われた香具山。何気なく見える山も、少し神秘的な目で見ると、どこか謎めく魅力であふれています。そんな不思議な香具山と周辺スポットを橿原市観光ボランティアガイドがご案内します。
Summary
所要時間目安:3時間(約5.0km)
観光テーマ・スポット一覧
近鉄耳成駅
徒歩で30分
奈良文化財研究所藤原宮跡資料室
奈良文化財研究所 都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)は、飛鳥・藤原地城に残る遺跡(宮・京・寺院・古墳墓など)の発掘調査や整備をおこない、出土した遺物(土器・木器・金属器・瓦類・木簡など)の調査や保存整理にたずさわる研究機関です。これまで当調査部が取り組んできた調査・研究の成果、とりわけ「藤原宮と京」に関する成果を一般に公開するため、構内の一部に「資料室」を設けています。
畝尾都多本神社
畝尾都多本神社(うねおつたもとじんじゃ)は、「哭澤の神社」(なきさわのもり)とも言います。祭神の哭澤女神(なきさわめのかみ)は、「古事記」によると国生みの最後の段階で、伊邪那美神(いざなみのかみ)が火の神である火之迦具土神(ひのかぐちのかみ)を生み亡くなったのを、父の伊邪那岐神(いざなぎのかみ)が悲しんで泣いた涙から生まれた女神だと言われています。 神殿はなく玉垣で囲んだ空井戸をご神体とし、境内には末社の八幡(はちまん)神社が鎮座しています。桧隈女王(ひのくまのおおきみ)が、「哭澤の 神社(もり)に神酒据(みわす)ゑ 祈れども 我が大君は 高日(たかひ)知らしぬ」と詠んだと言われる万葉歌碑が境内にあります。
畝尾坐健土安神社
御祭神は、健土安比売命(たけはにやすひめのみこと)と天児屋根命(あめのこやねのみこと)です。健土安比売命は、古事記に記す波邇夜須毘売神(はにやすひめのかみ)で伊耶那美神火の神を生んだ時に排泄物から生まれた土の神様です。
赤埴山
赤埴山は竹やぶで頂上には天香山埴安伝承地の碑が立っています。神武天皇は天香具山の埴で焼き物を作り八百万の神にお祀りをすればよいと夢で告げられ、それを行ったところ天下を平定したと日本書紀にあります。香具山の埴には特別な力があるようです。
天香山神社
天香山神社(あまのかぐやまじんじゃ)の祭神は、櫛真智命神(くしまちのみことのかみ)です。 境内にある「朱桜」(にわざくら)という古名で知られる「波波架の木」(ははかのき)は、その昔、占いに用いられたと言われています。「古事記」の天岩戸神話(あまのいわとしんわ)には、天香具山(あまのかぐやま)の雄鹿の骨を抜きとって「朱桜」の木の皮で焼き、吉凶を占ったとあります。
波波架の木
国見の丘
香具山の中腹辺りにある国見の丘には舒明天皇が詠んだ歌碑が立っています。 大和(やまと)には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天(あめ)の香具山 登り立ち 国見(くにみ)をすれば 国原くにはら)は 煙(けぶり)立ち立つ 海原(うなはら)は 鷗(かまめ)立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島(あきづしま) 大和の国は (訳)大和には群がる山々があるけれども、中でも精霊のとりわけ神々しくよりつく天の香具山、この山の頂きに立って国見をすると。国原にはけむりが盛んに立ち上っている。海原にはかもめが盛んに飛び立っている。ああよい国だ。蜻蛉(あきず)島大和の国は。 国原(くにはら=平野)に立つ煙は豊作のしるし。竈(かまど)の煙が幾筋も幾筋も立ち上っているのです。いっぽう海原にかまめ(=かもめ)が数多く飛んでいるのは魚群を見つけたからで、こちらは豊漁のしるしです。舒明天皇は、理想的な国の姿を詠んだのでしょう。
国常立神社
天香久山の山頂に鎮座する神社です。左右二つの社があり、 向かって左側(西側)に「國常立神社」。御祭神は「國常立命」。向かって右側(東側)が「高龗神社」。御祭神は「高龗神」
伊弉諾神社
伊弉冉神社
天岩戸神社
香具山(かぐやま)の麓にある神社で本殿はありませんが、日の神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)が隠れた天岩窟(あまのいわや)または、天岩戸(あまのいわと)と言われる巨石がご神体です。 太陽神である天照大御神は、弟の須佐之男命(すさのおのみこと)があんまり乱暴を働くので、岩戸に隠れてしまいました。日の神が隠れたことによって世の中は闇に包まれてしまいます。 そこで、神々は思案し一計をめぐらしました。天岩戸の前に集まって、ある神様が踊り出し、これをほかの神様も笑いながら楽しみました。隠れていた天照大御神が外の様子が気になって岩戸から顔を覗かせたとき、天手力雄神(あめのたぢからお)がとうとう外に出してしまいました。そして、また世の中はもとどおり明るくなったということです。 境内には毎年新しい竹が7本育つ代わりに、別の7本が枯れ死するという「7本竹の不思議」が伝わっています。
徒歩で30分
近鉄耳成駅