安楽寺(忠兵衛の阿弥陀石仏碑)

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近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の浄瑠璃の名作「冥土の飛脚」(めいどのひきゃく)のモデルとなった忠兵衛(ちゅうべえ)の故郷が新口(にのくち)町です。葛本(くずもと)町にある安楽寺(あんらくじ)には、忠兵衛と梅川(うめかわ)の墓碑があります。 「冥土の飛脚」には「奈良の旅籠屋三輪の茶屋、五日、三日、夜を明し、二十日あまりに、四十両、使い果して二分(一両の半分)残る。鐘も霞むや初瀬山・余所に見捨ての親里の、新口村に着きにけるが」という名文句があります。 「冥土の飛脚」では、ふるさとの父により大阪淡路町の三度飛脚亀屋の養子に出された忠兵衛は、新町槌屋の遊女の梅川と恋仲になり通い詰めます。梅川の身請けの為に金に詰まった忠兵衛は、預かっている三百両の封印切りの大罪を犯してしまいます。 忠兵衛は生まれた大和新口村(やまとにのくちむら)(現在の新口町)に、梅川とともに手に手を取って駆け落ちしましたが、二人ながらに捕らえられ、大阪千日前の刑場で処刑されます。 梅川は近江矢橋の十王堂で、忠兵衛の菩提を弔いつつ懺悔の日々を50年余り送ったというお話です。

住所
奈良県橿原市葛本町
交通・アクセス
近鉄新ノ口駅 徒歩約7分
近鉄大和八木駅 徒歩約30分