歴史ある今井町で伝統文化を学ぶ旅

歴史ある今井町で伝統文化を学ぶ旅
「重要伝統的建造物群保存地区」として、江戸時代の姿を今なお残している「今井町」。そんな趣あふれる町には、今井町の起こりとも言われる“称念寺”があります。今回はこの称念寺で行われている“華道体験”と“茶道体験”をご紹介。歴史を感じながら日本の伝統文化にふれ、感性を磨く1日を過ごしてみてはいかがでしょう?

体験の前に、称念寺の本堂を見学


浄土真宗本願寺派の寺院。前身の今井道場は室町時代に創設され、戦国時代には今井道場を中核とする寺内町、「大和の金は今井に七分」と言われるほどに町は大きく発展しました。本堂は国の重要文化財に指定されております。2022年には12年にわたる解体修理が完了。外壁から欄間などの細部まで、創設当時の面影を残して復元されました。

華道体験や茶道体験に訪れた際には、体験前に住職による本堂の見学案内があります。歴史的背景や建物を、真剣に、ときには笑いも交えて説明してくれます。巧みな話術に引き込まれ、きっと聞き入ってしまうことでしょう。

浄土真宗本願寺派 今井御坊 称念寺 (稱念寺)

電話番号
0744-22-5509
住所
奈良県橿原市今井町3-2-29
URL
https://www.imaicyou-syounenji.com/

花の香りに包まれながら“華道体験”



華道の起源は仏教とともに伝来した仏前の供花(くげ)にあるとされています。室町時代に色々な流派が誕生し、江戸時代に大きく発展。現在のようにおもてなしの一つとしてお花が生けられるようになり、玄関口や床の間に飾られるようになりました。

体験時は使用する道具から花を生ける手順、コツまで、先生が丁寧に教えてくれるので初めての人でも安心。わからないことや不安なことは、どんどん聞いて楽しみながら体験してくださいね。


コツは花の表・裏を意識し、まっすぐ生けること
最初に3本の枝をベースとして、生け花の「骨格」となる美しいラインを作ります。次に「配材」と呼ばれるメインのお花を生け、添花で華やかさを演出するのですが、生ける前に余分な葉を落としたり、茎の長さを調整するのがポイントです。ななめに配置したいときは、まっすぐ生けて根本の方を押さえて向きを変えます。こういったアドバイスも、生けながら先生が教えてくれますよ。

また、花にも表と裏が存在します。日光が当たる方が表となり「色が濃い」「花が向いている」といった特徴があるので、生けるときには意識してみてくださいね。これを意識するだけで仕上がりがグッとよくなるそうです。


体験後はホッと一息。お花も持ち帰りできます
完成したら先生にお披露目。最後に先生がバランスなどをととのえてくれるので、仕上がりもバッチリ!高低差を出したり、奥行きを出したりと、その都度解説をしてくれるので、先生の技をじっくりみて学びましょう。

体験後は今井町のシンボルマークである「駒つなぎ」が目をひく上生菓子でブレイクタイム。体験を振り返りながらお茶を味わう時間に心が和みます。食べ終わったら体験終了。せっかく生けた花を崩すのは残念だけれど、家へと持ち帰れるので自宅でも生け花を楽しんでみてくださいね。

華道体験

住所
奈良県橿原市今井町3-2-29(体験場所/称念寺)
平均予算
3000円
URL
https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000220071/activity/l0000460F7/?ccnt=planList-in&screenId=OUW2210&dateUndecided=1&asobiKbn=1
備考
【体験時間】90分~120分 【参加可能人数】2人以上から受付、最大6人まで 【予約】10日前までに予約が必要

至高のおもてなしを学ぶ “茶道体験”



茶道とは、「日本の伝統的な様式に則って、亭主が客人にお茶を点て振る舞い、客人は亭主のおもてなしを受けお茶をいただく」こと。客人を最大限におもてなしするため、季節や行事、お祝い事などに合うようにお抹茶、お菓子、掛け軸、茶道具の一つひとつまでこだわって茶席がつくられます。

茶道体験の醍醐味は、やはり自分でお茶を点てられること。お作法に不安がある人も、「お茶の世界を楽しむ」ことを大切にしていれば、多少失敗があっても大丈夫!先生が優しくフォローしてくれます。



最初は先生のお点前を見学
茶室に入る前に気をつけたいのが、帽子や腕時計、アクセサリーなどの装飾品。これらは茶器を傷つけてしまう可能性があるため、待合室にて外すのがマナーです。体験では先生が茶席の心構えとともにお作法もしっかり教えてくれるので、きちんと聞いておきましょう。

準備がととのったら茶席へ。「よろしくお願いします」の挨拶をしたら、先生のお点前をじっくり見学。お菓子を食べ、お茶をいただいたら、いよいよ自分でお茶を点てる番です。


所作に気を付け、背筋を伸ばしてカッコよく!
まずは柄杓を使って茶碗にお湯を入れます。このとき柄杓の扱い方がポイントに。「置き柄杓」「切り柄杓」「引き柄杓」と3種類の扱い方があるのですが、この作法がスムーズに行えるととてもカッコよく見えますよ。

次に素早く前後に茶筅をふってお茶を点てます。最初はゆっくり徐々にスピードをあげて攪拌し、仕上げは「の」の字を書きながら真ん中から引き上げると美味しく入れられるのだとか。時間をかけすぎると冷めてしまうので気をつけて。先生の点てたお茶と自分の点てたお茶の味の違いを感じてくださいね。



茶道体験

住所
奈良県橿原市今井町3-2-29(体験場所/称念寺)
平均予算
2500円
URL
https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000220071/activity/l0000460F8/?ccnt=planList-in&screenId=OUW2210&dateUndecided=1&asobiKbn=1
備考
【体験時間】90分(人数により前後します) 【参加可能人数】2人以上から受付、最大6人まで 【予約】10日前までに予約が必要

体験後は人気和菓子店「御菓子処 美松」へ!



創業当時から愛されている「みたらしだんご」からパッケージもかわいい「フルーツ大福」まで、店内には多彩なお菓子がズラリ。みたらしだんごは注文後に焼いてくれるので、アツアツが味わえるのもうれしいところ。また、砂糖を使用しないため、米粉の自然な甘みとほわっとした食感も魅力です。

2023年1月には「今井ロマン(1個560円)」が新登場。ふんだんに使用した十勝あずきと、奈良県産のいちご「古都華(ことか)」との相性は抜群で、食べだしたら止まりません!見た目がキュートな上生菓子もぜひ。余談ですが、華道体験で最後に提供される上生菓子は、こちらのお店のオリジナルなんですよ。

御菓子処 美松

電話番号
0744-22-2945
住所
奈良県橿原市八木町1-8-5
営業時間
9時~17時30分
定休日
火曜
交通・アクセス
近鉄大和八木駅から徒歩5分
駐車場
1台
URL
https://sweets-mimatsu.com/

今井町に戻って食べ歩きもおすすめ



「美松」から今井町までは徒歩10分ほど。レトロな雰囲気ただよう町をお散歩しつつ、途中、ベンチや今井蘇武橋公園の東屋で、「美松」で購入した和菓子をパクリ。町内には古民家カフェやレストランも点在。ぶらぶら歩くだけでもワクワクします。歴史に思いを馳せながら、散策してみてください♪